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坂本文郎氏による2023年度吹奏楽コンクール課題曲Ⅰ 行進曲 「煌めきの朝」の楽曲分析です。
Gアウフタクト~H
・この部分のClのメロディは全てユニゾンです。BassやHrnの和声&リズムとのバランスで人数を考えてください。何より確実に音程を揃えるのが大切です。
・BassとHrnおよび5小節から加わるTrbは、まず和声的な注意を考えましょう。繰り返しになりますが5,6小節はF₇sus₄⇒F₇への解決ですのでB⇒A音への変化を、15,16小節はE♭sus₄⇒E♭₇への解決ですのでAs⇒G音への変化を重要視してください。
・メロディが動きのない音符になっている部分のSDのバランスにも気を付けてください。動きが止まってしまう印象にならないように気を付けましょう。
H~I1小節前の頭
・この間各パートの役割は固定されています。まずメロディのFl・Ob・Cl・ASaxですが、ClとSaxが8小節2拍目裏から2声に、11小節2拍目で一瞬ユニゾンに戻りさらに3拍の間は2声、その後16小節頭まで3声になります。これが広がりを持つように感じさせるには、ユニゾンの人数を絞り徐々に奏者が増えていく形をとるのが効果的なのは今まで述べたとおりです。気を付けて欲しいのは3声の部分です。13小節2拍目のF音と15~16小節のEs音はCl2、14小節全体はCl3だけになっています。Fl・Obはユニゾンで最も高い声部を奏していますので、この単独になったパートが響きを作れているか検証せいてください。
・ACl・TSax・Eupはオブリガードです。このパートはメロディに対して弱くなり過ぎていないか確かめてください。特にAClがない楽団はClで補強したほうが良いでしょう。
・BassはG部分からかなり変わり頭打ちの形でリズム重視です。H部分のみ加わるBDとのバランスに気を付けてHrnの後打ちの和声的な支えになっているか検証してください。TrioでBDが加わるのはここだけです。
・Hrnの後打ちはGとの違いを明確にしてください。4小節目は2拍目裏のHrn2&3の音が変わっています。9小節目以降は和声進行そのものが大きく変わっていますので、響きの違いをしっかり出してください。
Iアウフタクト~J
・ここでメロディを担当するのはCl1&2・ACl・TSaxです。ユニゾンですので音程重視です。ここでClのオクターヴ下にACl・TSaxが入る形になっています。AClがない場合、Cl3でオクターヴ下を奏したほうが良いか試してください。
・Flのオブリガードは強弱もmfになっており目立たせる必要があります。ただ乱暴にならないように、特に3箇所のトリルは記譜されている音で終わらせたほうが良いでしょう。
・Bassは9小節までG部分と同じです。H部分はリズム重視になっていますので、違いを出すには4分音符の長さに気を付けたいところです。(G部分も長さに気を付けてください。)10小節だけがGと異なります。他は全く同じです。違っている部分には注意を払いましょう。
・HrnもBassと同じでG部分と共通項が多いです。4小節目2拍目はIと同じに、11小節2拍目裏のHrn2にG音が加わっているのだけが異なる点です。
J~K1小節前の頭
・メロディはOb・Fg・ASax1がI部分のCl1&2・ACl・TSaxに加わっています。増えて高いPiccのオブリガードに対応していると思います。AClのCl3での補強は、しっかり増えている状態であれば必要ないかもしれませんが、逆にObもFgもない場合は必要になるでしょう。(Saxがオクターヴになるので、Clでも対応したほうが良いと思われます。ただし8小節2拍目頭のDes音は音域外なのでカットになります。)
・Piccのオブリガードにも3回のトリルがあります。記譜されている音で終わらせるようにしてください。
・BassはH部分と同一ではありません。GやIに対応した4分音符の長さを大切にしましょう。
・HrnはほぼH部分と同一です。違うのは4小節2拍目裏がGと同じになっている点、11小節2拍目裏がIと同じになっている点の2箇所です。
・G~KのTrio部分は同じような動きが連続しました。しかし少しずつ変化があります。この変化を丁寧に表現してください。
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