お待たせしました。
坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲『吹奏楽のための「ワルツ」』の分析編です。
【練習番号7~8】
・Oboe・Alto Saxophone・Hornの旋律にBassoon・Alto Clarinet・Tenor Saxophone・Euphoniumの対旋律、付点2分音符の動きの低音、木管の3声のアルペジオという構図です。最も細かいアルペジオのパートが3声に分かれています。テンポはLargamenteですが、このようなパターンでは、重たくなりがちです。2小節単位の流れを作る練習をしてください。
・122〜125小節目と128小節目は3声だったアルペジオのパートが突然ユニゾンになります。急に音量が増したように感じられると思います。音程とバランスを整えた方が良いでしょう。
・129小節目頭の8分音符は、下からFes音・As音・Ces音・D音の4声体になっています。Ces音が多すぎるのが気になるところです。またAs音は少なすぎる可能性がありますので合奏でバランスの確認をしてください。
・129小節目3拍目の低音のfpは明確に欲しい音です。響き作りを重視してください。
・130小節目からの和声はTromboneと低音楽器で和声を作っています。かなり多いメロディーに対し和声感を出さなければなりません。
・133〜135小節目は和音作りにTrumpetが加わってきますが、Es音のcrescに負けないようにしたいものです。
【練習番号8~9】
・メロディーのTrumpetとTromboneが和声の形になって、木管中心の8分音符の動きがユニゾンになっています。そこに低音部が加わる構造です。メロディーの部分が3声体ですので、しっかり和声の形が聞こえることが重要です。
・142小節目からは木管群にHorn・Euphoniumまで加わるため、バランス調整が特に重要になります。低音部が小さくならいようにしたいです。
・136小節目のみ2声体です。Es音に対してC音が少ないので、同じくらいのバランスになるよう調整してください。
・Pesanteで始まりpoco a poco accelがあります。136〜139の4小節は3つ振りにして、140小節目から1つ振りにするのが適正だと思います。
・144小節目からVivoまでは3小節です。ここは、3拍子のつもりで振ると良いでしょう。
・147小節目(Vivo)の3拍目からHornがメロディーに加わりますが、4声体になります。やはりバランスに気を付けることが重要です。
・154小節目(練習番号9の3小節前)のallargは、3つ振りで対応するのが自然です。
・154小節目(練習番号9の3小節前)3拍目から木管群がメロディーに代わります。Trumpet・Horn・Trombone・Alto Clarinet・Tenor Saxophoneの和声が弱くなり過ぎないよう工夫してください。
【練習番号9~最後】
・167小節目のフェルマータまで、メロディーラインの木管群はユニゾン、対旋律のTrumpetが2声体、後打ちのHorn・Tromboneが3声体です。メロディーラインがかなり厚いので、他パートの和声がしっかり主張できるようにバランスを考えてください。
・165小節目のritから、3つ振りにしてテンポを制御してください。
・166小節目のClarinet・Saxophoneの8分音符の動きは、しっかりVibraphoneと合わせてください。
・166小節目から167小節目頭のフェルマータの和音はGes音・Des音・Es音・B音の4声体で変化がありません。印象的に残る和音だと思いますので、響きのバランスに注意した方が良いでしょう。
・167小節目2拍目からの木管群は、3声に分かれます。meno mossoですが、必要以上に音量が小さくならないように、それ以前の流れと比較してください。
・168小節目からの付点2分音符の動きは、オクターヴの音型を重視してください。Alto Clarinetがない場合、1本でもいいのでClarinetで補強した方が良いと思いますが。。。
・171小節目のaccelを表現するためには、ここから1つ振りにするのが効果的でしょう。
・171~174小節は、3声体をバランスよく作っていくことと、鍵盤楽器とのタイミングの合わせに気を付けてください。
・最後の小節は、装飾音のあるClarinet 1・Alto Clarinet・Bassoonを強調したうえで、最後の音は強弱に大きな差が出ないようバランス調整をしてひびきを作ってください。
さらにスキルアップしたい奏者のみなさんへ
坂本文郎氏の分析を基にした合奏指導に興味をお持ちの方、複数の学校(団体)と一緒に合奏指導や分析、指揮法についてもご相談に応じます。
- 課題曲分析についてもっと詳細を聞きたい!
- 坂本氏より直接合奏レッスンを受けたい!
- 坂本氏の楽曲分析の講座を開いて欲しい!
お電話またはフォームより、お気軽にご相談・お問い合わせください!