お待たせしました。
坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲「古き森の戦記」の分析編です。
【練習番号A〜B】
・9小節目からの8分音符の刻みはF音が多すぎます。
逆にAs音はBass Clarinetだけですのでバランスに気を付けてください。
また14小節目1拍目でG音を出しているのはAlto Clarinetだけですので確認が必要です。
・13小節目からのAlto Saxophone 2のF音、Tenor SaxophoneのC音が多くなっています。
(NGですが。。。この部分の音を入れ替ええると容易に音程が取れると思いますが。。。)
・10小節目からのメロディは、HornのユニゾンとTrombone 1&2との和音に、14小節目からはTrumpetのユニゾンとHorn、Tromboneの和音によるという構成です。
16小節目は木管群が加わります。どの程度メロディを際立たせたいのか試しながらバランスをとる必要があります。
・Clarinetは14小節目からユニゾンで始まり16小節目2拍目から3声に分かれます。
Clarinet 1とE♭ ClarinetはFlute・Oboe・Trumpetと同じ音で人数も多いですので、Clarinet 2&3の音量が必要になります。
この部分はClarinet 2&3が少し厚くなるようバランスをとりましょう。
・17小節目の和音の中でD音はClarinet 2とHorn 2しかありません。
またC⇒Hと動くパートはClarinet 3とHorn4のみですが、G音を吹くパートが多すぎるように感じます。
【練習番号B〜C】
・18〜21小節目のAlto Cl.の8分音符の動きは、他に演奏している音(楽器)がありませんのでフォローが必須になります。
この他、T.SaxophoneのG→Fis の動き、Bass Cl.のEs→Dの動きも単独です。少し大きめの音でないと和音が作られないでしょう。
・19、21小節目のTrumpetとTromboneは低い音からの跳躍の動きということを考えるとユニゾンで音程を合わせるのが困難ですので、工夫が必要と思います。
・19、21小節目のClarinet 3は単独の動きです。埋もれてしまわないように注意が必要です。
・19、21小節目のEuphoniumとPercussionのクレッシェンドは、Euphoniumで表現するのは難しいかもしれません困難ですのでPercussionを際立たせた方が良いと思われます。
・22〜25小節目のSaxophoneとHornの3連符は他の木管やTrombone、Euphonium等の動きと同じ音ですので、きついタンギング(アタック)にならないよう注意が必要です。
・25小節目のTrumpetは8分音符の低いC音が難しいですね。分けて演奏するのも一つの方法かもしれません。
【練習番号C〜D】
・26小節目からのTrumpet・Horn・Euphonium・Tuba・Contrabass・Timpaniで刻まれるリズムはF音が多い中で、C、As音との和音になります。バランスに気を付けましょう。
ただし26小節目の3拍目はリズムパートの和音にG音が奏されますので、Asとの音のぶつかりに気を付ける必要があります。
・29小節目は多数のGやF音の中、Horn 2&4のCが少なすぎる印象があります。
・29小節目3拍目付点4分と8分休符で書いてあるパート(Trumpet 1,2、Horn、Trombone 1,2、Euphonium)があります。
このC音は4拍目から入る木管のCと重なることが意識されていると思われます。
・30小節目の2&3拍目のAlto Saxophone 2のC音は多数のH音とぶつかります。高音で伸ばしているFlute・PiccoloもC音です。
Fl奏者はそれほど違和感を感じないと思いますが、Alto Saxophone 2は吹きにくいと思います。音は抑えるか、思い切ってカットした方が響きが良くなるかもしれません。
・34小節目は突然A音のユニゾンになります。ここでは濁らない音が必須ですので、調整をしてください。
・34小節目の4拍目からのTrumpet とTromboneですが、Trombone 3だけA音を奏しています。バランスに気を付けてください。
・35小節目の3拍目から低音の動きは、decrescendoの表現とアーティキュレーションが難しくなります。(4拍目裏から人を減らすのは一つの方法かもしれませんね。)
※古き森の戦記〜第3回 楽曲分析をお楽しみに!!
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