お待たせしました。
坂本文郎氏による2018年吹奏楽課題曲「古き森の戦記」の分析編です。
曲の表紙に作曲者が主にイメージを語られていました。塩見さんが最後に述べている「冷静に、丁寧に」という言葉を実現するために、技術的な留意点を中心に述べて行きたいと思います。
全体として留意しなければならない点を、まずは6つ挙げます。
和音が4音で構成されていることがほとんどなので、2度・7度でぶつかる音が多数あります。
このぶつかる音についての処理を丁寧に行わなければなりません。
ポイント2
1.と近いのですが、和音のバランスに注意が必要です。
特定の音が多くの人数で演奏されている時、1パートだけで別の音を出している場面が多々あります。
ポイント3
アルト・クラリネットが必須の部分が数多くあります。
所有していない楽団も多いと思いますが、その時は4パート目のクラリネットとしてB♭に書き直す必要があります。ポイント4
逆にトランペットはCとFの6小節目4拍目、Kの8〜10小節目以外は2パートで演奏できます。この箇所だけフォローすれば、トランペットが2人しかいない楽団でも問題なく演奏できます。
ポイント5
ユニゾンが多数あります。
しかも音が跳躍しているため、音程を揃えるのは困難です。その部分の工夫が合奏練習で必要です。
ポイント6
5に加えて、金管各楽器に使う頻度の低い低音域が使われています。
それでは具体的に見ていきましょう。
【冒頭から練習番号Aまで】
・冒頭と4小節目のTimpaniの3連符は明確に音の粒が聞こえるような演奏を望みます。
・1小節目から、Clarinet1&2,Alto Saxophone 1&2,Euphoniumがユニゾンになっています。
他パートに比較すると強くなりすぎることが懸念されます。
また、3~5小節目はEuphoniumとAlto Clarinetが重なっています。
最初と音質を合わせるためには、Alto Clarinetのフォローが必要です。
・6小節目からのHornの和音は減三和音になっています。
3音のバランスが等しくなるように練習してください。
・7~10小節目のAlto ClarinetのF⇒Eと動く音はHorn 4と同じです。
Alto Clarinetがない場合はB♭ Clarinetで和音が作れた方が良いでしょう。
※「古き森の戦記」〜第2回 楽曲分析をお楽しみに!!
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