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坂本文郎氏による2019年吹奏楽コンクール 課題曲Ⅳ.行進曲「道標の先に」の分析、解説です。
・メロディラインはアウフタクト(練習番号Iの16小節目)がB音とF音の2音から始まり、その次の音と練習番号Jの冒頭の音だけが3声になっています。ここだけ弱い印象にならないよう気を付けてください。またメロディの2声部分はClarinetもTrumpetも上の音の人数が多いので、バランス調整してください。
・メロディラインは練習番号Jの8小節目(150小節目)の4拍目から3声に代わります。練習番号J全体はほとんどが4声以上の和音の連続ですので、メロディに含まれない音が手薄になっています。練習番号J全体でHornの和音をチェックしてください。単独で1パートしか演奏していない音が多数あります。それを探して響きの練習をすることが大切だと思います。
・練習番号Jの3小節目(145小節目)の1拍目の低音群のA音を強調してください。低音の支えが必要です。しかし4拍目はEuphonium・Trombone・Trumpet.3・Alto Saxophone.2・Clarinet.3で演奏され、強すぎると思います。
・練習番号Jの5小節目(147小節目)3~5拍目はメロディの上のパートのA音とHorn.3・Trombone・Euphonium・Tenor Saxophoneで奏されるB音のぶつかりが気になります。どの程度の強さがより不快感を感じさせないのか、調整してください。
・練習番号Jの5、6小節目(147、148小節目)のFlute・Piccolo・Es Clarinetの装飾音は、4分休符と16分音符にすると揃いやすいと思います。
・練習番号Jの12小節目(154小節目)の3拍目のClarinet.2・Trumpet.2のF音は少なすぎます。補強をした方が良いでしょう。
・練習番号Jの14小節目(156小節目)の1拍目のHorn.2・4のB音も少なすぎます。同時に奏されるC音の音量に近づけて、次の小節のA音への解決を明確にしてください。
・練習番号Jの15小節目(157小節目)のClarinet.2・Alto Saxophone.2・Trumpet.2のB音は同じ形のF音に比べ少ないようです。バランスを近づけてください。そしてB音を補強すると、1・3拍目のHorn.3のC音は他に音がありませんので、より補強が必要になります。
・木管のトリルの処理、和音の中のHornの単独音の洗い出しなど、やらなければならないことはほとんど練習番号J部分と同じです。
・練習番号Kの6、10小節目(164小節目、168小節目)のFlute・Piccolo・Es Clarinetのトリルは次に休符があります。練習番号Iのトリルと同様の処理をしてください。
・練習番号Kの15小節目(173小節目)の1拍目はB音が多すぎます。D音とF音とのバランスを取れるように調整しましょう。また、低音のみが4分音符になっている点も気を付けてください。和音の後、低音のB音だけが残る設定です。
・練習番号L の1、3小節目(175小節目、177小節目)の1拍目は、装飾音の後とその前からある4声の和音の解決する瞬間が一致しなければなりません。十分に練習しましょう。
・練習番号Lの2、3小節(176小節目、177小節目)のHorn.3の音は、このパートだけ単独です。同様に、3・4小節目(177小節目、178小節目)のTrp2のおとも単独です。
・練習番号Lの4小節目(178小節目)の4拍目からのHorn.2・4とTromboneの音はHorn.1・3やTrombone.1・3、Euphonium、Tuba、Contrabassの音に上下を挟まれていて、人数もかなり少なくなります。同様の問題が、1小節後(179小節目)から始まるFlute.2・Clarinet.2・Alto Saxophone.1・Trumpet.2にも当てはまり、練習番号Lの7小節目(181小節目)からは両者が合流します。バランスの調整に十分に気を付けてください。
・練習番号Lの9小節目(183小節目)の1拍目はF音が少ないと思います。バランス調整が必要です。
・練習番号Lの9、10小節(183小節目、184小節目)の終わりの4つの音は、全部が3声になっている点が理解できないところです。最初の3つの音はB音のバランスをかなり強くして、最後の音で和声感を持たせるか、その全く逆の終わり方にするか、いずれにしても同じ和音が4つ並んでいる形にしない方が終始感を得られると思います。
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